今、求人情報サイトやインターネットの口コミなど、転職希望先に関する情報を入手する方法はいろいろありますが、自分の目で実際に確かめる絶好の機会となるのが会社見学会です。
会社を訪問すれば、ネット上ではわからない職場の雰囲気を入社前に体感できます。もし会社見学会の機会があったなら積極的に参加し、次のようなポイントをチェックして、自分に合うかどうか、希望する環境かどうかを確認してみましょう。
1.社員のコミュニケーションはどんな感じか?
まず確認したいのが、現場で働く社員の表情や社員同士のコミュニケーションの様子です。社員と直接話ができるかどうかはケースバイケースですが、社員同士がコミュニケーションをしている様子は見学会でも確認できるでしょう。
- 会社見学に来たグループに挨拶をしてくれるか。
- 働いている社員の表情はどうか。
- 社員同士の会話は固い雰囲気か、カジュアルな雰囲気か。
- 仕事中のコミュニケーションは雑談も含めて会話があるか、それとも口数がなく静かか。
- 職場の同僚の男女比や年齢構成はどうか。
これらを確認し、自分の思い描いていたイメージとかけ離れていないか、自分にとってコミュニケーションがとりやすい職場なのかを判断していきましょう。
たとえば、「若い社員が多くて活気がある職場です」とホームページや求人情報サイトに書いてあっても、実際の職場が「みんな夢中でパソコンに向かっていて、オフィスも静まりかえっている」「オフィスに入ってきた人に挨拶もしない」など、「活気」とは程遠い雰囲気であることもあります。反対に、老舗で固い社風だと思っていた企業が、社長が代替わりして二代目になり、改革を進めていてとても活気づいていた…なんてことも。
他にも、会社見学に来た来客に笑顔で挨拶をしてくれる職場は、入社後も温かく受け入れてくれる可能性が高いですが、よそよそしかったりスルーされたりする職場は、「新しく来た人」に対する興味関心が薄い可能性もあります。社員のコミュニケーションの様子は、何がよい、悪いではなく、自分に合うかどうか?が大事なポイントです。この職場で気持ちよく働くイメージができるかどうか、想像しながらみてみましょう。
2.事務所のレイアウトや休憩室は?
事務所のレイアウトや休憩室からも、社風や経営者の考えなどを読み取れます。
たとえば、事務所のレイアウト。
集中できるように仕切りがあるレイアウトだったり、コミュニケーションがとりやすいようにフリーアドレスだったり、入室者にすぐに対応できるように全員が入り口を向いていたり…と企業によって様々ですが、いずれにしても事務所のレイアウトには「仕事をする際に、何を大切にするか」という経営者の考えやその企業で大切にしていることが表われています。それに共感できるかどうかも、1つのポイントになるでしょう。
そして各社員の机の上の様子にも、目を配ってみましょう。もし、どの社員の机も整然としていれば、整理整頓を重視する職場でしょうし、家族やペットの写真がおいてあれば、比較的カジュアルな職場、書類が雑然としていれば規律の緩い職場だと想像できます。
休憩室も然りで、休憩室そのものがないこともあれば、休憩室に無料のドリンクやアイス、お菓子なども用意している企業もあります。休憩室に対する考え方も、企業によって様々ですので、自分の考え方とマッチするかどうかも、入社後の働きやすさに関わってきます。さらに、自分が喫煙者であれば、喫煙スペースなども意外に重要なポイントとなるので、確認しておきましょう。
3.壁の掲示物にも社風が表れる!
そして、見落とさずにチェックしたいのが、壁の掲示物です。
- 毛筆で書かれ、額に入れられた社訓。
- 営業の売上目標が数値化されたグラフ。
- 社内イベントなどでの社員の写真。
- 今月の目標やスローガン。
- 経営者の趣味の絵画。
などなど、掲示物の貼り方、デザインにも社風が表われています。
たとえば、売り上げ目標のグラフにしても、名前とグラフだけのものなのか、盛り上がるようなデコレーションがしてあるのか、企業によって違いがあります。経営者の趣味のものが社内に飾ってある企業では、よくも悪くもトップの意向が強く反映される職場の可能性が高いといえるでしょう。
こうした掲示物のセンスが自分に合うのか合わないのかも、入社後に気持ちよく働けるかどうかに関係してきます。また、なかには壁に掲示物が一切ない企業もあります。それもまたその企業のポリシーであり、社風の1つですので、もしそのような職場であれば、ぜひ案内役の社員に質問してみましょう。自分にその企業が合うか合わないか、判断材料となる新たな情報が引き出せるはずです。
このように会社見学会では、「この職場や社風が自分に合うかどうか?」「ここで自分は気持ちよく働けるかどうか?」を判断するたくさんの情報を得られます。社風のミスマッチは、早期離職の原因の1つ。入社してから「思っていた雰囲気と違った」ということがないように、社内や社員の様子に目を配ってみてください。