転職初日、新しい職場では自己紹介が求められることが一般的です。人前で話すことや、自己紹介そのものが苦手な方も少なくないかもしれませんが、この自己紹介の印象がよければ、職場には歓迎ムードが広がり、その後のコミュニケーションも取りやすくなります。
新しい職場での仕事も進めやすくなる、印象のよい自己紹介のために、ちょっとしたポイントを押えておきましょう。
何はともあれ、気持ちよい挨拶から!
まずは基本中の基本ともいえる、挨拶と笑顔です。入社初日、職場に入ったときから自己紹介は始まっているともいえます。みんなの前で自己紹介をする前でも、社員にすれ違ったら「おはようございます」ときちんと相手の顔をみて、できる限り明るい表情で自分から気持ちよい挨拶をしましょう。
新しい職場は知らない人ばかりで緊張する場所ではありますが、そこで働く社員からみたあなたも、「初めて見る、知らない人」で、多かれ少なかれ距離を感じています。しかし、最初に気持ちのよい挨拶があれば、相手はよい印象を持ち、好意的に受け入れてくれるようになります。反対に、ここで挨拶ができないと、「今度入社した人は、挨拶もできない」と距離を置かれてしまうかもしれません。こうなると、これから行う自己紹介も「歓迎ムード」とはいかない可能性すらあります。
つまり、自己紹介をする前に、挨拶ができていたかどうかが第一印象を左右しているといっても過言ではありません。自己紹介を好意的に聞いてもらうためにも、挨拶は自分から積極的に声をかけていきましょう。
身だしなみと姿勢の「見た目」にも気を抜かずに
自己紹介を好意的に聞いてもらうには、挨拶だけでなく「見た目」も重要です。
転職初日は清潔感を意識し、身だしなみ、服装、髪型、メイクを整えていきましょう。「整えて」といっても、気合の入り過ぎは逆効果になってしまうこともありますので、あまり攻めすぎない、誰からも好感が得られるような身だしなみを目指してください。
また、自己紹介の際には、「姿勢」も重要なポイントとなります。背筋を伸ばすのは多くの人が意識するところですが、第一印象に大きく影響する「あご」の位置にも気を配りましょう。
あごは、上がっていると偉そうな印象になってしまい、反対に引きすぎているとネガティブな印象になってしまいます。あごの位置は、床に対してまっすぐ、平行にすることで、好感度や信頼感を与えることができますので、ぜひ意識してみてください。「見た目」がよいと、「この人は仕事ができそう」「信頼できそう」と新しい職場で好印象を与えることができます。
「挨拶」と「見た目」という、自己紹介を話し始める前の「非言語」の部分で印象は大きく変わります。いずれもちょっとしたことなので、損をしないためにも身だしなみや姿勢に気を配りましょう。
自己紹介で最低限伝えたい3つのこと
さて、いよいよ自己紹介の内容です。
この自己紹介のスピーチも、「おはようございます」「初めまして」などのシチュエーションに合わせた挨拶で始め、「これからよろしくお願いいたします」と気持ちよい挨拶で終わるのは基本中の基本になります。ではそれ以外にどのような内容を話せばよいのか?ですが、自己紹介はそんなに詳しく、たくさんのことを話す必要はありません。
新しい職場での自己紹介の目的は、「どこでどんな仕事の経験があり、これからどんな業務を担当するのか?」を理解してもらうことです。そのために、次の3つを必要最低限の項目として、自分の状況に応じてプラスαの情報を伝える構成を考えておいてください。
【自己紹介に最低限伝えたい3つのこと】
- 名前と配属先
- 前職と前職の仕事内容
- これからの仕事に対する意欲
プラスαの情報とは、人間的に興味を持ってもらい、話すきっかけになるような趣味などの話です。もし話題にしやすい趣味(ゴルフ、フットサル、釣り、ジョギング、ヨガ、お酒や食べ歩きなど)があれば、一言添えると、同じ趣味を持つ社員が声をかけやすくなるので、付け加えるとよいでしょう。
また、「3.これからの仕事に対する意欲」は、前向きな姿勢をきちんと語ることで、周囲からの印象がグッとよくなりますので、自分の言葉で、自分なりの思いや体験などを交えながら、ぜひ語るようにしましょう。
【自己紹介例】
「初めまして。本日入社し、エリア営業部に配属になりました山田太郎と申します。前職では、〇×社で★★(製品・サービス名)の法人営業として、名古屋市の企業を中心に営業をしていました。
面接に通っていたころから、ぜひここで働きたいと思っていましたので、こうして入社できたことを嬉しく思っています。また、アルコールが大好きなので、好きな方はぜひご一緒できればと思っています。これから1日も早く戦力となってお役に立てるよう、頑張っていきますので、ご指導どうぞよろしくお願いいたします」
ちなみに、どんなに前職で素晴らしい実績を上げていたとしても、この自己紹介でその武勇伝を語るのはおすすめできません。武勇伝は、それが素直に「すごい!」と受け入れられるケースばかりではなく、「自慢っぽい人だな」「じゃあ、お手並み拝見といこうか」と周囲との間に壁ができてしまう可能性もあるからです。
素晴らしい実績があっても、今の職場では「新人」です。自己紹介では、何を担当してきたかの業務内容を語るにとどめましょう。
自己紹介は長くても1分以内に
前述の例にあげたように、入社時の自己紹介はコンパクトにまとめるのがポイントです。長くなりすぎると、「話の長い人だなぁ‥‥」とマイナスの印象になってしまいますので、30秒から1分程度でまとめるようにしましょう。
そのためにも、前日に家で軽く練習しておくことをおすすめします
時間にしてほんの30秒から1分程度の自己紹介。この自己紹介と、自己紹介に至るまでの挨拶や見た目等で、第一印象が決まり、その後のコミュニケーションのしやすさが変わります。
新しい職場を働きやすい場にするためにも、印象のよい自己紹介を目指していきましょう。